困りごとを解決しよう!ナレッジマネジメントを進めるための活動ステップ
村上 修司(KMエバンジェリスト)
こんにちは。「てけ王」こと村上修司です🐔🍗
前回は、ナレッジマネジメントを始めるときの最初の一歩は「困りごとを解決したい!という個々人の思い」というお話をしました。
今回は、実際にナレッジマネジメントを推進するための活動ステップについてお話しします。
目次
ナレッジマネジメントを進めるためのステップ
私の所属する日本ナレッジ・マネジメント学会や前職での経験、当社のお客様から見えてくる理想的なステップは、以下のような流れになります。
①「思い」を持った人が推進者となる
②目的を決める
③どんなナレッジをどのように共有したいのかを明確にする
④業務に組み込むための仕組みをつくる
⑤仕組みが回っていることを常に確認する
それぞれについて説明します!
① 「思い」を持った人が推進者となる
ナレッジマネジメントの一番の敵は「やらされ感」です。
活動がトップダウン的であってもボトムアップ的であっても、「思い」を持った人を推進メンバーにすることがとても重要です。
②目的を決める
・課題は何か?
・課題の原因は何か?
・どのような効果が期待できるか?
といったことを、現場目線で吸い上げて、整理します。
③どんなナレッジを、どのように共有したいのかを明確にする
現場目線で考えると、本当に必要なナレッジは何かが見えてくるはずです。どんなナレッジを、どのような形で可視化し共有すると現場で効果が得られるか、を具体的に検討します。
そして、データベース化のことも併せて検討します。
・「ナレッジベース」になるITツールは何を重視するか
・FAQ形式にするのか
・ITツールは、業務上のどのタイミングで使ってもらうのか
④業務に組み込むための仕組みをつくる
現場の状況を把握したら、実際にどのように業務に組み込み、ナレッジが自然に蓄積・共有され効果を挙げていくかを検討します。
大切なのは「忙しいのに新しい仕事が入ってきた」「また面倒な仕事が増えるのか」と思われないような業務設計をすることです。
例えば、「従来共有ファイルサーバーに保存していた資料の保存先をナレッジベースに変更する」、というように従来の業務とやり方はほぼ変わらないように設計すれば、現場の業務負荷は変わりません。
さらには、「楽しくナレッジ共有ができる」ような仕掛けも非常に効果的です。この部分は、今後、私の実践例から色々とご紹介していきます。
ナレッジマネジメントは、「理想形はあるがゴールは無い」と言われます。環境の変化に応じて必要なナレッジも変わってきます。ナレッジは、期間限定で集めれば良い、というものではありません。常に柔軟に対応できるよう、推進体制には工夫が必要です。
⑤仕組みが回っていることを常に確認する
まずはKPIを設定しましょう。(KPI = Key Performance Indicatorsの略です。日本語でいうと「重要業績評価指標」です。)
数値目標があると、全体の様々な動きを分析しやすくなります。また、楽しませる仕掛けをつくる基礎データにもなります。
実際に運用が回ったら、「ログ」を集計し、解析すると効果的です。
ナレッジがうまく集まっていなければ、何が原因かを分析して改善していきましょう。
ナレッジは集まっているが活用がされていない、ということであれば、なぜ活用されていないのか業務フローを見直す必要があります。
数値で可視化すると、新たな気づきが出てきます。
人間の活動全てを数値化!?
ただ、人間の活動全てを数値で表すことは非常に困難です。
ナレッジマネジメントには、数字で表せない定性的な効果も非常に多くあります。頑張れば数値で表せるとしても、それはあまり意味のない数字だと私は思います。
・嬉しかった
・勉強になった
・人の繋がりができた
・コミュニケーションがとれた
・チーム力が高まった
こういった効果は、他の仕掛けで成果を把握していきましょう。
おすすめの仕掛けは、効果のストーリー化です。
「活用して良かった」というちょっとした”成功体験”の積み上げが、ナレッジマネジメントの促進につながります。成功体験を他者に伝えるためには、ストーリーを語ることが一番です。
前職のナレッジマネジメントでは、「削減したこと」「向上したこと」「満足したこと」を切り口に、ハピネスストーリーという形で、ストーリー形式にして蓄積していました。私が実践していた期間で、132話のハッピーなストーリーが生まれました。
ナレッジマネジメントのよくある失敗事例
ナレッジマネジメントのよくある失敗事例は、「トップダウン的にナレッジ共有ツールを導入し、『便利なツールだから、ここでナレッジ共有をしなさい』と、現場任せにすること」です。
「ナレッジマネジメント ツール」でググると、便利そうなツールは色々とあります。しかし安易に導入しても、
・運用のルールが決まっていない
・利用者が明確になっていない
・操作性が悪くて使いづらい
・メリットが伝わっていない
このような状態では、持続的に使われるわけありませんよね。
ツールを導入しても、そもそもまずナレッジが「投稿」されないと、「活用」うんぬんの話にもならないですよね。
システムさえ入れたらすぐに効果が出る、というものではありません。前項の通りにしっかりとステップを踏んで進めることが必要です。
アクセラテクノロジの導入コンサルテーション
弊社アクセラテクノロジでは、導入コンサルテーションを重視しています。
お客様に現状の業務フローを伺いながら、困りごとは何か? ナレッジが蓄積されていない理由は何か? ナレッジが活用されていない理由は何か? を一緒に考え、「どこにナレッジベースを組み込んだら、自然とナレッジが蓄積され、活用され、課題を解決し成果を挙げるか?」をご提案しています。
さらには、PoC(プルーフ オブ コンセプト=概念検証)を1.5~2か月ほど行います。あらゆる関係者にご参加いただくワーキンググループの形で進めています。お客様専用環境を作り実際のデータを使うことで、成果のイメージを感じていただきます。
知識は日々生まれるものですし、未来永劫成果が出るお手伝いをしたいですからね!
PoCについては、こちらのページから「Accela 達人PoCのご紹介」をぜひご覧ください!
PoCをしっかりと実施することで、ナレッジマネジメントのIT導入を成功に導けるのです。おかげさまで、これがアクセラテクノロジの信頼の源となっています。
村上 修司(KMエバンジェリスト)
前職では4,700人以上が参加するナレッジマネジメント(KM)を実践、 フレームワーク「SECIモデル」を意識して、たくさんのハピネスを創りました。 会社の枠を越えたコミュニティの運営もしています。 現職を通じて、KMの素晴らしさを世に広げることが人生のミッションです☆彡
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